作者 秋田禎信
※外伝作品は割愛
今回紹介するのは魔術師オーフェンシリーズです。
前回のスレイヤーズに続きかなり昔の作品です(1994年第一巻刊行)。でも、新シリーズが刊行され最近まで続巻が発売、最近アニメもやってました。
この物語は過去に義姉が魔術実験の失敗でドラゴンに変貌した姉を探すために魔術学校を飛び出し、5年間世界をさまよった主人公のオーフェンが 義姉 を探すのを諦めかけた頃、偶然ドラゴンに変貌した姉の手がかりを見つけるところから物語が始まります。
このシリーズの魅力は重たい過去を背負ったオーフェンが一途に姉を追いかけて世界中を旅するという重たい設定と、旅をするうちに世界の歴史とその裏側を知り、翻弄され、はからずも世界の危機と向き合っていくという少しダークな世界観が面白い。
今となっては結構よくある世界観ではありますが、当時としてはこういうダークな雰囲気のラノベというのは珍しく、バランスを取ったのか外伝作品の無謀編ではギャグに全振りしたものになっています。
キャラクターも魅力的で、主人公のオーフェンはもちろん才能豊かな弟子のマジクにわがままだけど芯の強いヒロインのクリーオウ、研究の失敗でドラゴンに変貌し罪を背負った 義姉 のアザリー、妹と義弟が自分のもとを去り家族を求めるレティシャ、数々の名言を残してくれるチャイルドマン先生など本当に魅力的なキャラクターがたくさんいます。
ライバルキャラなんかも魅力的で死の間際まで死の教師であろうとしたクオ、世界の根幹に手を伸ばし自分が世界を救おうとするもオーフェンに先をいかれ苦悩するコルゴンなど単なる悪役ではない敵役のカッコよさもあります。
ラノベに限らず活字の本って昔の作品であっても古臭さを感じさせず色褪せない良さがあって面白いんですよね。このシリーズも世界観が合う合わないはあるかと思いますが、合う人は絶対ハマると思います。
狙って書いているのか名言や迷言が多いのもこのシリーズの魅力です。
既刊
- 「我が呼び声に応えよ獣」
- 「我が命にしたがえ機械」
- 「我が胸で眠れ亡霊」
- 「我が森に集え狼」
- 「我が過去を消せ暗殺者」
- 「我が塔に来たれ後継者」
- 「我が遺志を伝えよ魔王」
- 「我が聖都を濡らせ血涙」
- 「我が神に弓ひけ背約者(上)」
- 「我が神に弓ひけ背約者(下)」
- 「我が夢に沈め楽園(上)」
- 「我が夢に沈め楽園(下)」
- 「我が運命導け魔剣」
- 「我が心求めよ悪魔」
- 「我が絶望つつめ緑」
- 「我が戦場に踊れ来訪者」
- 「我が庭に響け銃声」
- 「我が館にさまよえ虚像」
- 「我が聖域に開け扉(上)」
- 「我が聖域に開け扉(下) ※2023年2月時点
新シリーズ
- 「キエサルヒマの終端」
- 「約束の地で」
- 「原大陸開戦」
- 「解放者の戦場」
- 「魔術学校攻防」
- 「鋏の託宣」
- 「女神未来(上)」
- 「女神未来(下)」
- 「魔王編」
- 「手下編」 ※2023年2月時点
bookwalker → https://bookwalker.jp/deb737cb8c-cef9-48bf-ab3c-a7666843cf22/?acode=x3t49wYt