友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。

作者:真代屋秀晃

あらすじ

青春は恋愛だけではない。けど――。この恋だけは気づかれてはいけない。

「青春=彼女を作ること? 青春ってなにも、それがすべてじゃないだろ」

恋にトラウマを持つ高校生、古賀純也は恋愛よりも友達とわいわい騒いで友情を育むことこそが、青春だと思っていた。

男女の親友五人組で綺麗な星空を見たり、ファミレスで朝まで駄弁っている今この時こそが、自分達の青春だと。

――なのに、どうして俺達は相手が友達でも、恋をしてしまうんだろう。今までどおりの関係じゃいられなくなるかもしれないのに。

グループ内の一人、成嶋夜瑠が隠していた本音を知ったことで、純也と彼女の間に共犯関係が生まれ、意図せずお互いの傷に触れていく。

友情と恋心が交差する、まっすぐな気持ちと歪んだ想いをつづった青春恋愛劇。

この物語の魅力  感想

タイトルから感じる印象通り、不純愛系(よく考えれば友達グループ内の恋愛なのでそんなに不純ではないかも)のラブコメなのですが、友達グループ内での恋愛という、どこにでもあるがゆえにリアルに重たいテーマをしっかり描写してくれているのが面白い。

過去のトラウマから、恋愛を忌避し、友達グループとのバカ騒ぎを一番大切に思っている主人公の古賀純也。

純也と同じような過去のトラウマをもち、自分が本気で『恋』できる相手を探して、いろいろな男と付き合っては関係を断つことを繰り返していた成嶋夜瑠。

最初は相性最悪な二人が、お互いのトラウマに触れてしまい、トラウマを乗り越えていく過程で恋に落ちるというある意味王道的な展開。

ですが、ずっと探していた『恋』を見つけた時の夜瑠の心理描写がものすごく心揺さぶられるものとなっており、それゆえ嫉妬などのどす黒い感情なんかも重くリアルに描かれています。

ラブコメ好きには是非お勧めてしたいラノベですが、主人公もヒロインも少し癖のあるキャラなので好き嫌いは分かれるかもしれません。

既刊

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