ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9

作者 衣笠彰梧

今回も本編のネタバレを含みます。

未読の方は本編を読んでから見るようお願いいたします。

シリーズ紹介はこちら

前巻の感想はこちら

感想(ネタバレあり)

今回の巻の感想は下記の5点について書いていきたいと思います。

  1. 生徒会選挙について
  2. 鬼龍院への万引き擦り付け事件の顛末
  3. 一之瀬クラスの成長
  4. 一之瀬帆波の成長?について
  5. 綾小路のクラス移動と軽井沢との今後の関係

1.生徒会選挙について

今回の巻は 一之瀬 vs 堀北 の生徒会選挙対決の話かと予想していたんですが、一之瀬の辞退によりあっさり堀北が次期生徒会長になりましたね。

学園もののお約束感のある生徒会選挙対決は綾小路vs南雲の対決と一緒に流れてしまってちょっと残念でした。

南雲のプライベートポイントの使い道を3年生の使用に限定されてしまいましたし、綾小路vs南雲の対決は今後ないのでしょうか・・(リアルではありますが)

2.鬼龍院への万引き擦り付け事件の顛末

鬼龍院への万引き擦り付け事件は鬼龍院が実行犯から脅して得た情報によると、南雲からの指示ということだったのですが、南雲はこれを否定。

真相を綾小路が探るといった話でした。

なずな先輩の協力を受け、難なく真相にたどり着き堀北に報告。堀北が真犯人を推理して生徒会長としての判決を下す、といった流れは堀北の成長と生徒会長としての資質を感じられて良かったです。

3.一之瀬クラスの成長

前々回の巻からクラスを変えようと動き出していた神崎たちにも浜口といった仲間が増え、さらに渡辺や網倉にも神崎の真意を伝えることで、少しずつ仲間を増やしていっているように感じます。

後述する一之瀬の成長?も相まって簡単に落ちぶれていくクラスではなくなってきたような印象になってきています。

綾小路が神崎や渡辺に頼られたり、網倉や姫野とちょっと踏み込んだ話をしたりで最近は堀北クラスより一之瀬クラスとの交流が増えてきて新鮮な感じです。(そろそろ交友関係が少ないというのは無理があるのでは・・)

余談ですが神崎の発言慣れしていないせいで軽々と反論を許してしまうという欠点は私にも当てはまるような気がするため、ちょっと神崎に親近感がわきましたw

4.一之瀬帆波の成長?について

正直今回はこれが一番重要なテーマだと思います。

今回の巻では主に一之瀬の周りにいる人間の心情や一之瀬の綾小路への想いや今後の接し方について書かれていたと思います。

前巻で精神的に危うい状況にあった一之瀬は今巻の序盤で生徒会を辞退するという決断をしました。

周りは一之瀬の精神状態を心配し、綾小路へ一之瀬の現在の精神状態とAクラスを目指す意欲が失われていないかの確認を依頼します。

綾小路は一之瀬の精神状態を確認するため、一之瀬と二人で休日を過ごすなかで一之瀬の状態を確認しようとします。

一之瀬は綾小路とのデートを通じて、自分が綾小路が好きなことを再確認し、綾小路を振り向かせるような自分になることを決意しました。

覚悟を決めた一之瀬は2学期最後の特別試験も難なく勝利をおさめ、龍園、坂柳といった他クラスのリーダーに一歩も引かずに渡り合えていました。

もともと一之瀬が持っていた能力は他クラスのリーダーに劣ってはいないため、成長というよりは覚悟が決まったのだと思います。

覚悟を決めた一之瀬は見事な推理で綾小路をひるませたり、軽井沢と佐藤に綾小路との関係を疑われた時には、自身の綾小路への想いをおくびにも出さず、むしろ綾小路と軽井沢の仲直りに協力するとまで言って軽井沢を安心させる姿が愛人感を漂わせていて、

恋愛が一之瀬を大人に変えてしまった。よく言えば色気が出てきた感じです。(退学への前振りじゃなければいいのですが・・・)

5.綾小路のクラス移動と軽井沢との今後の関係

2000万プライベートポイントをかけての南雲との対決が流れて、しかも南雲が学年を超えてプライベートポイントを使うことを禁じられたため、考察されていた綾小路のクラス移動は少し難しくなりました。

まぁ、クラス移動権は綾小路がとろうと思えばそのうち取れるんでしょうが・・

軽井沢との関係はかなり危うくなってきた感じがあります;;

恋愛の教科書の終盤にさしかかっているような印象です。一之瀬とのこともあり、今後は読むのが少しつらいものになるかもしれません。

まとめ

このシリーズ、発売日の0時にダウンロードして夜中に読むことを繰り返すほどはまっているのですが、かなり長いシリーズになっているにもかかわらず全く飽きさせません。

読んでみるまで展開が読めず、考察する要素も多々あるため、発売日まで考察して楽しめています。

一之瀬クラスが巻き返しの兆しを見せ、今後のクラス間の戦いも佳境を迎え、各クラスの行方を見守るのが綾小路ならずとも楽しみとなるような、そんな巻でした。

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