あそびのかんけい

「最近のラブコメは甘すぎて、ちょっと刺激が足りない……」と感じていませんか?

もしあなたが、単なる「可愛い」だけではない、一筋縄ではいかない人間関係を楽しみたいなら、今回ご紹介する作品はまさに**“劇薬”**です。秘密を抱えた少年少女が、ボードゲームという「遊び」を通して、本音と建前を交錯させる――

昨年の新刊ラノベでおそらく一番の話題作。少なくとも私が読んだ昨年の新作ラノベの中ではとびぬけて面白い作品でした


【あらすじ】『あそびのかんけい』の世界観とあらすじ

本作の舞台は、放課後の部室。一見すると、どこにでもある穏やかな高校生活の風景ですが、そこに集う少年少女たちは皆、他人に決して明かせない**「秘密」**を抱えています

彼らをつなぎとめるのは、多種多様なボードゲーム。ゲーム盤の上では嘘も、策略も、ハッタリもすべてが許される「遊び」です 。主人公たちは、ボードゲームを通じて互いの心の境界線を探り合い、時に歩み寄り、時に致命的なすれ違いを引き起こしていきます 。本心を隠しながら、それでも誰かと繋がりたいと願う彼らの、危うくも瑞々しい「あそび」の物語です。

  • 著者: 葵 せきな
  • イラスト: 深崎 暮人
  • レーベル: ファンタジア文庫

『あそびのかんけい』の見どころ

1. ボードゲームが暴く「仮面の下の素顔」

この作品の最大の白眉は、ボードゲームを単なる小道具ではなく、キャラクターの心理をえぐり出す鏡として描いている点です。勝負に勝つためのロジックや、窮地に追い込まれた時の癖。ゲームというフィルターを通すことで、普段は完璧に隠しているはずの**「醜い本音」や「隠された脆さ」**がポロリとこぼれ落ちる瞬間が、たまらなくゾクゾクします。

2. 誰もが「嘘つき」……ヒリヒリする心理戦とラブコメの融合

登場人物たちは全員、心の中に「墓場まで持っていくべき秘密」を抱えています 。そのため、甘い言葉一つとっても、「それは本心なのか? それともゲームを有利に進めるためのハッタリなのか?」という高度な読み合いが発生します。純粋なラブコメの皮を被りながら、その実体は知略と感情が入り混じるスリリングな心理戦。この独特の緊張感こそが、本作を唯一無二の存在にしています。

3. 惹かれ合うほどに遠ざかる、極上の「すれ違い」

「秘密を共有しているけれど、本当の自分は愛されない」という矛盾。ゲームを通して距離が縮まれば縮まるほど、抱えた秘密が重荷になり、二人の関係を歪ませていきます 。相手を想うからこそ嘘をつき、嘘をつくからこそ深く傷つく。そんな痛切なすれ違いの描写には、読んでいて胸が締め付けられるような切なさが溢れています。「ただの遊び」のはずが、いつの間にか取り返しのつかない感情へ変わっていく過程から目が離せません!


こんな人におすすめ!

  • ただ甘いだけじゃない、ビターで刺激的なラブコメを読みたい人
  • ボードゲームが好きで、心理戦やハッタリの応酬に燃える人
  • 「全員が秘密を抱えている」という設定の群像劇に惹かれる人

まとめ:嘘から始まる関係が、いつか本物になる瞬間を見届たい!

『あそびのかんけい』は、ボードゲームという知的な遊びを軸に、思春期の繊細さと素直になれずにすれ違っていく恋心を描き出した傑作です 。互いに仮面を被り、騙し合いながらも、その奥底にある「誰かに理解されたい」という叫びが伝わってきたとき、あなたはこの物語の虜になっているはずです。

2026年3月には待望の第3巻も発売され、物語の歪みと熱量はさらに加速しています 。彼らの「遊び」がどのような結末を迎えるのか、楽しみに見届けていきたいと思います。

個人的に今一番新刊が気になる作品です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です