夏へのトンネル、さよならの出口

作者:八目迷

あらすじ

時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏。

「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」

「なんでも?」

「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくて――」

海に面する田舎町・香崎。

夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。
それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。

その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。
最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。

――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。

放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。

転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。
二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。

この物語の魅力・感想

以前から評価が高く、気になっていた作品ですが映画化されることが決まっていたため、映画を見てから読もうと先延ばししてました。

そして先日、映画を見てきたため小説のほうも読みました。

結果:八目迷先生の作品をすべて買うことを決めました。

映画の序盤、小説の最初のほうから傑作感(?)がひしひしと伝わってきて、すぐに作品にのめりこめます。

亡くしてしまった妹を取り返したい主人公の搭野カオルと、特別な才能が欲しい花城あんずが、欲しいものが何でも手に入る、その代わりに歳をとってしまうという都市伝説だったウラシマトンネルを発見し、お互いの欲しいものを手に入れるために協力していく。

不思議な都市伝説に高校生の男女が周囲には内緒で挑んでいくという王道なストーリーなのですが、作品の雰囲気が良く、主人公とヒロインが二人とも自分の考えをしっかり持っているため、わかりやすくて惹かれやすい。

そしてしっかり最後は感動させてくれます。

何というか、最初から最後までしっかり面白く、安心感のある作品だったので、この作者の本はどれを読んでも面白そうだという気にさせてくれました。

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夏へのトンネル、さよならの出口